第6章 異変

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そんな風にして始まった僕らの新生活も、少し慣れてきた一週間後に、未来ちゃんは親御さんの元に帰って行った。当分の間、騎士(ナイト)による護衛も付くことにはなるそうだが、家に帰れて嬉しそうだった。今回のことで、未来ちゃん自身も護身術の訓練をすることになったので、管理局には通うことになるそうだ。 隣の部屋で一人暮らしになってしまった、さなえちゃんはと言えば…… どうも、家出少女だったらしく自分のことや家のことなど、話したがらず管理局側でも調査をしているとのことだ。そんな訳で、綾那は同じ年頃ということもあり、さなえちゃんと打ち解けてきちんと話ができるよう協力して欲しいと、紅さんに頼まれていた。 そういった訳で、綾那と春花ちゃんは連れ立ってさやかちゃんの部屋によく遊びに行っている。 そんな女子トークの時間が増えたためか、最初の頃と比べて春花ちゃんの笑顔も増えてきた。弟がいるせいか綾那がとても良く面倒を見ていた。ノワの存在も大きそうだが、とにかく仲良くやっている。 綾那は春花ちゃんが、あの時連れ去られた子で、家には帰れそうにもないと知り、春花ちゃんが寝た後に僕の部屋に来て、怒りをぶち撒けていった。散々怒って気が済んだのか、春花ちゃんには普通に接している。僕は春花ちゃんの事情を聞いて、どう接したら良いのか考えてしまったのに。 「なぁノワ。綾那って、やっぱり凄いな」 分かっているのかいないのか、ノワは僕の顔を見てミャーと声をあげた。
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