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その夜、けたたましい警報音で跳び起きた。突然起こされたので、心臓がバクバクして頭痛もするが、気にしている場合ではなさそうだ。僕は慌てて部屋を出ると、ちょうど綾那も慌てて飛び出してきたところだった。
「春香ちゃん頼んだ! 僕は外の様子見てくる」
部屋のドアを開けて、廊下に出てみるとちょうど大燈班の福丸太一さんが走ってきた。
「蒼太君、部屋に戻るんだ!」
福丸さんは部屋に飛び込んで来るとガチャリ施錠した。
「福丸さんどうしたんですか? 何があったんですか?」
「うん。賊が侵入したらしいんだ。誰かの手引きでね」
「福丸さん! さやかちゃんは? さやかちゃんは大丈夫なんですか!」
綾那が福丸さんに詰め寄った。
福丸さんは眉間の皺を深くし首を振る。
「その誰かってのが、さやかちゃんみたいなんだ」
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