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「そんな……、嘘! 嘘ですよね?」
福丸さんは綾那をじっと見つめゆっくりと首を振った。
「綾那ちゃん。残念だが本当だなんだよ」
綾那の目には、この状況を受け入れたくないと、うっすらとした幕がゆらめいている。今にも決壊しそうなダムを目を見開いて、どうにか耐えているようだ。
「彼女は最初からここに侵入するのが目的だったんだろう。色々とこちらで調べた結果、さやかという名前も偽名だったよ」
福丸さんは持っていた”元”さやかちゃんの資料を見せてくれた。そこには僕らが知るさやかちゃんとは全く別の顔を持った女の姿があった。
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前田ユミ(23歳)
本籍:東京都
高校中退後アルバイトを転々としていたが、数年後就職先が見つかり寮に入ると実家を出た。
その後は実家とは疎遠になっていた。
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「その就職先と親に言っていたのが、採集家の組織だったようなんだ」
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