第1章 はじまりの時 / 咳

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第1章 はじまりの時 / 咳

このところ少し調子が悪い。 胸の辺りの違和感と咳。 こんな調子がひと月ほど続いている。 しかたがない、今日は学校の後病院に行くか……。 病院はあまり好きではない。あの雰囲気が、どうしても陰気な気分になる。 「あぁ、面倒くさい」 思わず声に出てしまった。 診察券を受付機にかざし、待合室を見渡す。運良く窓際の端の席が空いていた。 席に座り読みかけの本を鞄から取り出し、今朝読んでいた所を探す。
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