第8章 バンパイア

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第8章 バンパイア

黒服の執事が、恭しく主人のデスクにティーカップを置くと訊ねた。 「ミハイル様、最近とても楽しそうでいらっしゃいますね」 「あぁ、楽しいとも。あれが私のものとなれば」 銀色の髪をサラサラと揺らし、顔を上げると薄い唇の端がわずかに上がった。 執事は一礼し、ワゴンを押して部屋を後にした。 ミハイルはティーカップを取り、ゆっくりと椅子の背に深く体を預けた。 ティーカップから立ち上る香りを吸い込むと、静かに口をつけ、椅子を回転させ窓の外に視線を移した。 「シャオイェンが捕まってしまったので、次の手を考えないといけませんね」
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