音楽室のピアノ-3-

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 しかし、こんなことがあるのか。  さっきまで動かなかった足が、今度はふらふらと動き出した。  まるで、引き寄せられるように―― (聞いたことがある気がする)  誰が弾いているのだろう。  なぜかは分からないが、懐かしい。  さっきまで身を寄せていた植木からふらふらと離れた霖之助は、校舎へと近寄った。 「どうやって入る……?」  ふと呟けば、窓がすっと開いた。 「え?」  誰も触れていない。  再び恐怖が湧いた。  が、それ以上にこのピアノの音色の正体が知りたかった。きっと誰かが弾いているはずだ。  それが、生きている人ではないとしても―― 「よし」  小さくだが気合を入れた霖之助は、窓の桟に手を掛けたのだった。
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