音楽室のピアノ-3-

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 不意に寒気が走った。  優しく、楽しそうだった音色が変わっていく。 (ピアノ……)  声がまた聞こえた。  コッチよ……  ワイワイと賑わっている花子達の声が、遠く聞こえていた。 (花子……ちょっと……)  手を伸ばそうとしたが、体が言うことを効かない。  コッチへキテ……  声とピアノの音色が、だんだんと華子の体に染み渡ってくる。  しかし、不思議と怖い感覚はなかった。 (あぁ……行かなきゃ……彼が来てるもの……)  誰かの心が、自分の中に広がっていく。  華子の意識は、ゆっくりと自分から離れていった。
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