呪縛-2-

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 夜の学校に忍び込むのは、何度やっても慣れない。  まず、人目を気にする。今の学校はセキュリティが厳しい。不審者による事件が多いからだ。見付かったら、注意だけでは済まないだろう。  が、まだ橘華子は中学二年生だった。  懐かしくて、つい――と見付かった時の言い訳は考えていた。かなり怒られるだろうけれども、それだけで済むだろうと、華子は若干諦めている。 (まあ、怒るんだったら、裏のフェンスを直してからにしてほしいかな)  華子は、フェンスの裂け目に自分の体を滑り込ませながら思った。  それに、事件が本当に起こってからでは遅い。最近は物騒だ。  怪談よりも、お化けよりも怖いもの。それは、生きている人間だ。  子どもを守れるのは、他の誰でもない。身近にいる大人になった人間だけなのだから。  しかし、ここが塞がれてしまうのは、正直困る。 (ここが塞がれても、きっとまたどっかから入れるようにしてくれそうだけど)
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