ピエロ

ピエロ７

人はどこから来て、どこにいくのか。

ノナミに子供が出来た。

出来たと言っても、自分が生んだわけではない。
あたりまえだけど。

生んだのはG。
何もできなかった。
すべての選択はGにあった。

僕には何の選択肢もなかった。

彼女は選択したのか？
多分ものすごく長い時間考えられたはずだ。
男なら。

けど、違った。
微塵も選択はしていなかった。

あたりまえ
空気、水、空、太陽と同じなんだろう。

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名前をナミと名付けた。
健やかな人生のみを願い、祈った名前のつもりだ。

そうして、何もかもに驚き、おどおどとした日々。
3ヶ月が過ぎようとしている。

ふと思った。
ナミは、なぜこれほど無防備なのか？

守られているからとかそんな綺麗事ではなく
動物として欠陥している。

人のDNAに、欠落した進化なのか退化なのか、ある種の階段を確信してしまっている自分がいた。

（続く）