3章 : 初任務

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デルタの手当を終え、他の仕事をするべく移動しはじめる。 今日も怪我した隊士以外は出払っていた為、掃除屋はガランとしていた。 「あぁ、ウォーレンか。すまんな、いま疲れていて…稽古はつけてやれなさそうだから自主練しておいてくれないか。」 シシド隊長ともすれ違ったが、任務のこなしすぎですこしお疲れのようだった。 「わ、わかりました。…?それは?」 ゲッソリとしているシシド隊長が手元に持っているものに気がつく。 「ん?あぁ、この本は日記でね。もう何年も書いてるんだ。でもプライバシーだから覗いちゃだめだぞ〜」 そういうと、隊長は僕の髪を手のひらでわしゃわしゃとかき乱して去っていった。 今日の分の雑用も終わり、僕は訓練場に足を運んだ。 時間はすでに遅い。誰もいない訓練場は静かで、少し寒かった。 「自主練でもしにきたの?」 「!!!???」 完全に誰もいないと思っていたので、心臓が飛び出るかと思った。 話しかけてきたのは訓練場に正座したアヤノだった。 「びっくりした…。そうだけど、アヤノも?」 「私は、なんとなく来ただけ。明日は非番だし、夜更かし。」 この華奢な女の子はこうみえても立派な隊士だ。最近の任務ではずっと出ていたため、明日が久しぶりの休日なのだろう。 「そういえば、アヤノはケガして帰ってこないよね。どんな任務を担当してるの?」 女の子だから後方支援とか、手当とかがメインなのだろうか。アヤノはいつも無傷で帰ってくるので、安全な任務をしているのだろう。 「私の任務は……」 「敵襲ーーー!!!!敵襲ーーーー!!!掃除屋近辺でシニンが人を襲撃!!!隊士は直ちに出撃準備せよ!!!」 アヤノの言葉を打ち切り、伝令役がバタバタと大声で叫びながら掃除屋を走る。 「…只事じゃなさそうだね。」 アヤノはゆっくりと立ち上がり、歩く。 「あぁっアヤノさん!!今日は戦える隊士の数が少ないってのに、厄介そうなシニンが現れたっスよ!!」 伝令役の1人、ムロが大慌てで訓練場にきた。 「そんな!?シシド隊長は!?」 すれ違ったので今日は本部にいたはず。 「少し前から不在っす!まだ帰ってこなそうなので、隊士だけで時間を稼ぐしかないっすよ!!」 「しかたない。私行く。」 アヤノは無表情で、なんのためらいもなく外に出ていく。 「ち、ちょっと、危ないよ!?」 僕は心配になり、恐怖心を忘れ慌ててアヤノの後を追った。
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