創作

静岡

僕は方々に移り住んだ経験がある。
静岡に生まれ育ち18で東京の八王子で過ごした。
そこでソフトボール部に所属していたせいか、野球に詳しい関東近辺の仲間が複数いた。
その仲間の殆どが驚いた事に巨人ファンで引退してからかなり経った今でも長島茂雄さんを敬愛しているようにかんじた。
静岡でプロ野球の話題になるとファンは様々なのに東京ではここまで長島イズムが浸透してるとは、と軽いカルチャーショックを受けた。
それより何より、住んでいて一番嫌だったのがどこにいっても混雑しがちなところだ。
永住なんてしたら窒息死してしまいそうだ。

静岡に戻ってまず感じたのは静岡人はかなりのんびり屋が多いということ。
そして水が美味しく、山あり海ありで食べ物も新鮮で美味しい。
でもこれだ！と言う売りがなく名物はお茶、ミカンと何処にでも手に入りそうなものばかりでもどかしい。内々で海もの山もの何でも手に入り、東京大阪の中間であるため流通の通過点であるため県外に売り込む力が弱い感じ。
20年ほど前はサッカー王国なんて呼ばれていたけどJリーグが発足するとたちまち他県のチームの勢いに飲まれ今や観る影もない。
可もなく不可もない、そんな地方都市だ。
富士山があるじゃん、と言われそうだけど、登ってみると足や体がボロボロになってご来光も拝めず高山病になりエライ目に合った印象でしかない。
確かに外観は綺麗だけど見慣れると山は山だなとも思う。(あくまで個人的なひねくれた意見です)
でも、高校野球とか高校サッカー、さして魅力があるチームではないエスパルスが優勝を争ったりすると嬉しいし「がんばれー」と応援したくなるから不思議だ。
実家から離れてる熱海、伊豆なんかもドライブによく出掛けるし、ちょっとした異空間を味わえて好きだ。

何よりも静岡の子供の頃から慣れ親しんだ何もかもが中途半端な空気感が好きなのかもしれない。