キスオニ

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 同年代の女の子と話すなんて、ほとんどなかった。緊張で、僕が返す笑みはぎこちない。 「犬は好きですか?」  彼女は「うん」と言い、「だから、放っておけなくてね」と目を細めた。 「会わせたかったです、ハナに」 「ハナちゃんっていうんだね」 「はい」 「いい名前」  彼女が言うと、本当にいい名前に聞こえるから、不思議だった。 「あなたの膝の上が好きだった?」彼女は僕の膝を指差す。 「え、はい。何で分かったんだろう?」  彼女は僕に向けていた人差し指を戻し、自分の口元に寄せ、「内緒」と微笑む。僕は「はい」と、何度もうなずいた。
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