Dummy Honey Ⅰ/*U

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Dummy Honey Ⅰ/*U

しかも私好みの美形。もうドストライク。 「好き。この感触最高。」 色気のある声。 ミルクティー色をした髪が私の頬に当たる。 嗚呼、私も最高。 ボールを取りに行かされた苛立ちも、この男に湧いていた殺意も消え失せた。 「もっとくっつかせて。」 「全然どうぞ。」 へらりと緩い笑みを浮かべて私の身体に頬擦りする男。 まるで猫みたいだ。 因みに私は、猫より断然こっち派だ。 これが夢月だったらなと願う自分もいるけれど。 「開花の人間?」 「えっと、隣の花咲学園です。」 「…残念。それじゃあずっと一緒にいられない。」 眉を下げて唇を尖らせた姿さえ素敵。 ねぇ、めっちゃ胸キュンさせに来るじゃんこの人。 「青葉 飛鳥(あおば あすか)」 「へ?」 「俺の名前。」 「青葉君?」 「うん。飛鳥って呼んで。」 「飛鳥…。」 「うん、飛鳥。覚えて。」 言われなくてももう覚えたよ。 満足そうに目を細める飛鳥の顔が美形すぎて目が幸せだ。 「そっちも教えて。」 「えっと…如月真白…。」 「ん。真白ね、覚えた。」 どうも私は色気のある中性的な美形に弱いらしい。 自分の名前を呼ばれただけなのに謎の幸福に包まれる。 「真白は何でここにいるの?」 「あっ!!ボール!!!!」 飛鳥に魅了されてすっかり本来の目的を忘れていた。 大変だ、どうしよう。 「ボールってもしかしてこれの事?」 そう言って飛鳥が掲げたのは、間違いなく私が探していたボールだった。
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