Dummy Honey Ⅱ/*R

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Dummy Honey Ⅱ/*R

放課後。 生徒会室。 え?夢月と一緒の空間で良かったじゃんだって? 何?イケメンに囲まれて鼻高々だろだって? そうだね、ぶっちゃけ私はいつだって優越感に浸ってるよ。だって美形に囲まれてるから。 その辺で羨望の眼差しを向ける事しかできない女を見てルンルンするし、美形の中にいる私を指咥えて睨んでる姿なんて見ようものなら最高に気分が良いくらいには性格が悪い。 そんなの自覚済み。 どんな僻みも妬みも私にとっちゃクラシックくらい心地良い響きだよ。それくらい精神鍛えてんだよ。 だけど……。 「真白、どうして鬼帝君なんかを相手にするの?」 流石に怒気を含んだ王子様に対しての免疫は私でも持ち合わせていない。 私に向けられた夢月の冷ややかな目。 え、死にたい。普通に。そんな目しないでよ、いつもみたいに微笑んでよ。 「夢月、真白にだって事情があったんだよ。」 「どんな事情かな。ずっと一緒にいる俺よりも出逢って数日の鬼帝君を選ぶ理由は何?ねぇ、教えて真白。」 鈴が出してくれた助け船さえ、魚雷のような言葉で撃ち落とされる。 私の心も深海並みに沈んでる。 明らかに怒っている夢月。 表情も口調もいつもとさして変わらないように見えるけど、あれは絶対ブチ切れている。 それもこれも、あの肉欲獣が突然現れて私の弱味を握り締めて嗤っていたからだ。 「夢月、真白が可哀想だよ。」 「じゃあ蘭は良いんだね、真白が虎雅とこのまま関わるようになっても。」 「……。」 はい秒殺。 すぐ撃沈。 どれだけ私を助けようとしてくれても、夢月の一言ですぐに口が閉ざされる。 ただただ重圧な空気が生徒会室には流れていた。 ふと奥のキッチンから顔を出したのは聖架。 鈴、蘭に続き私を助けに来てくれたのだろうか。 「真白。」 低い声が私を呼ぶ。 すぐさま顔を上げた。 お願い助けて、もう聖架しかいない。 無表情を貼り付けて、僅かに優しく目を細めた聖架がゆっくり開口した。 「お菓子、焼けたぞ。」 いや空気読め。
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