三章

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「……こんなおまえを、一人で置いていけるわけがないだろ? ちょっと連絡してくるから、待ってろ」 シノがスマホを手に俺から離れるとーー、 「……ええ、葵の奴が急に熱を出しまして。突然ですみませんが、今日は有休を取らせてもらえませんか。はい、埋め合わせは明日にでも十二分に……申し訳ありませんが、お願いします」 と、話すのが聞こえた。 「休み取れたから、今日はずっとそばにいてやるから」 戻って来ると、そう優しげなトーンで話してベッドの横に座り込んだ。
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