三章

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「……すげぇ甘い匂いがしてくるな」 鼻をすんすん鳴らして言うと、 「……紅茶でも淹れるか?」 葵がようやく醒めてきたようでそう口にして、 「ああ、いいな。じゃあ紅茶にブランデーとか……」 と、とっておきのブランデーを取り出した。 紅茶を沸かして淹れ、ブランデーを垂らして味見をする。 「あっ…シノうまい、これ。ケーキに入れてもよかったよな?」 「ああ、ブランデーケーキとかいうのか? それもいいな…今度また作ろうな…葵」 「うん。シノと2人で、また作りたい」 「ああ、そうだな…」 キスを交わすと、葵の唇から今飲んだばかりのブランデーが微かに薫った……。
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