序章

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「なぁ葵……ここにも、キスマーク付けていい…?」 鈴口を含みながら言われて、 「……そこには…付けんの…無理…だろっ……」 応えるそばから、じゅるりと音を立てて吸われる。 「よせ……シノ…やっ……あっ…ん…んぅ……」 息が上がるのを満足そうにも見つめて、 「キスマークは無理でも、俺のものって証し……ここにも、残させろよ……」 また、ぬめる先端を強く吸い立てた。 「……俺は……おまえの…もの…だろっ……はっ…あ…」 息遣いが荒くなり、漏れ出す熱い吐息に、 「……もっと、言って……葵……俺だけのもの…って……」 「……うんっ……シノだけ…の…ものだ、から、はっ、ん…シノも…俺に…言って……」 「……葵……」 亀頭の先の切れ込みを舌でねぶり、 「…………俺だけの、葵……」 滲み出して止まらない先走りを幾度も舌で掬い取りながら、 「……おまえだけが……好き……」 細く糸を引く粘りを舌で絡め取り、ぬらりと照る唇の上下で、根元から咥えじゅぶじゅぶと舐め上げた。 「あっ……ふ…イ…イッ…く……うんっ…!」 「……イッて…葵っ…」 近くなる絶頂感に口から出して手で扱き上げられると、 ぶるっと腰が震え、飛沫のように精液が吐き出され飛び散った。 「……葵……キス…しよ…」 「……んっ……シノ…」 「葵の唇……柔らかい……」 「……シノの唇も……もっとしたい…キス……」 ベッドの上で抱き合い絡み合いながら、終わりのない行為に(ふけ)る……彼とこうしていられるのなら、今の俺はなんにもいらなかった……。
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