序章

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「…シノ、ピアス付けたから見てくれよ」 「もう付けたのかよ、おまえ。見せてみろって」 葵の指差すあたりを見ると、銃撃で少しだけ削げた耳の上っかわに、小さな銀製のリングピアスが付いていた。 「いいじゃん、これ。葵の雰囲気になんか合ってる感じで」 「ほんとか?」 「うん、ほんとに。すごい似合ってる」 言って、ピアスに指で触れると、 「……よかった。コレおまえのモニュメントみたいなもんだからさ、シノに一番に気に入ってもらいたかったんだよ……」 耳を赤くして、はにかんで言う葵に、 「……モニュメント?」と、首を傾げた。
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