二章

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「俺は、おまえが痛みに耐えて我慢してるのなんて、見たくはないからな…」 「……我慢なんて、してない…」 ソープの付いた指がピンと張りつめた乳首を下から掬い上げて、 「…ん…っ…」 口元から声がこぼれ出る。 「……葵、おまえには俺の愛情の全てを与えてやるから、」 そこだけ石鹸を付けないように外した肩の傷に、再び口づけて、 「……だからおまえは、その愛にくるまれて笑ってろ……」 肩から首筋へ唇で辿り、 「笑って……泣いたりすんな、俺の前では……」 耳へ行き着くと、付けたピアスにキスで触れて、 「このピアスに、約束しろ」 囁きかけた。
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