二章

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「ん……シノ…」 守りたいと思った。絶対に。 けれど、俺には……意思だけではままならないこともあった。 いつか、俺がもしもおまえとのこの約束を破るようなことがあれば、 俺のことは、もう忘れろ……。 深まる口づけとは裏腹に流れ落ちそうになる涙に、たった今泣かないと約束したばかりだろうと、 自分の意思がせめて強くあってほしいと願いながら、固く目蓋を閉じて涙を見せまいとしていた……。
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