二章

47/51
前へ
/270ページ
次へ
後ろから抱かれるような恰好で2人で浴槽に浸かっていた。 シノの肌の温もりを真近に感じながら、ふと……巽と温泉に入った時のことが思い出された。 あいつは、あいつなりに俺を愛してくれていた……。 そうして何より、竹塚のことを愛していた……さっき寝ていた店で途切れがちに聴こえていた話が浮かんで、 あいつは竹塚をどれくらい愛していて、そうして殺してしまった時にはどれほどの悔いを背負ったんだろうかと思うと、 胸が酷く切なく(いた)むようだった。
/270ページ

最初のコメントを投稿しよう!

679人が本棚に入れています
本棚に追加