二章

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「……なんか、考えてんのか? 葵」 「……巽のことを、少しな…」 口にすると、 「……そうか…」と、回した腕で背中からぎゅっと抱きしめられた。 「……公判が始まったらまた、嫌でも思い出させられるな…」 耳元にそっと唇を寄せ、ピアスが嵌まった縁を柔らかく()むシノに、 「そうだな…」と答えて、頭を振り返らせ耳からずれた彼の唇に口づける。 甘く熱っぽくねぶる舌の感触に引き寄せられるようにキスが深まると、 触れる体から感じるシノの温もりがもっと欲しくなって身体を向き合わせて裸の胸に抱きつくと、互いの陰茎がこすれ合った。
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