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三章
……頭がぼーっとしていて、今が夢なのか現実なのかがわからなかった。
もしかしたら、シノと2人で暮らしている安らかな幸せの方が夢で、
俺はまだ人質として囚われたままで、終わりのない逃亡を続けているのかもしれなかった……。
「……クスリやるよ」声がして、注射器が手渡された。
「……ああ」受け取って、慣れた手つきで肘の血管に突き刺した。
記憶の中にある堪え切れない高揚感が蘇り、きっと気持ちが高ぶるこっちの方が現実に違いないと思う。
あっ…あぁ……たまらない……久しぶりのドラッグが体中にしみ渡って行くようだ……このままセックスをやったら、どんなに感じるだろう……そう思いながらゆらゆらと手を伸ばした。
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