月曜日の朝

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月曜日の朝

「あ、はい。ではお預かりします」  週が明けた月曜日、テラーの近藤は複雑そうな顔で富江から500万円を受け取り、記帳作業を進める。  この日の新聞の一面には特殊詐欺グループ摘発の記事がデカデカと掲載されており、純一郎がメンバーとして逮捕されたことも当然報道されていた。片田舎の世界は、狭い。その犯人の母親が富江であるということも近所にはあっという間に知れ渡っていた。冷ややかな視線が痛くないかと言ったら嘘になる。しかし富江はこのことは遅かれ早かれ明るみに出ていただろうと思っており、通報したことは後悔していなかった。  銀行から出たところで突如、1本の電話が鳴った。 「もしもし」  聞き覚えのある声だ。 「健二郎だね?」 「そうだよ。話があって電話したんだ」  電話の声はそう告げた。
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