【第1章】魅せる

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「あっクラス同じやん!」 そう言ったのは小学6年生の高木ゆか。 「ふふ、6年連続で同じだね。私嬉しいよ。」 返事をしたのは同じく小学六年生の宮本のぞみ。 2人は親友でいつも一緒にいる。 6年連続でクラスが同じでとても親しい 親友。 「クラス変わって気分はウキウキやけど、悪魔くるか心配やんなー?」 「そうね、だけどミシェルやキャットがいるじゃない、私たちは心配しなくていいの。わかるでしょう?」 「わかっとるけどさー…去年も始業式に襲いに来たやん、悪魔。」 「たしかに、怖いけど…」 「何?あんた達悪魔怖い?」 笑いながらキャットがそう心配する2人に声をかけた。 「キャットは心配とかないんやろ?キャット強いし。」 「あははっ。そうだね。アタシは全然怖くなんかないよ。 …でもね、アタシが怖くないっていうことはあんた達も怖くないってことよ?アタシはあんた達を守るのが宿命。それだけのために生まれてきたようなものなの。」 そう言って笑い飛ばした。 ゆかとのぞみはその言葉に安心したのか顔を見合わせて笑った。 笑ったキャットの目は何故かすこし寂しそうな目だった。
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