1時間前

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1時間前

僕は彼女とキスを交わした。 甘い、甘い唇だった。僕の中身から何かがとろけ出すような感覚に襲われた。けれどその感覚が心地よかった。 心に多少のモヤモヤはあったが……それとは比べものにならないほどの満足感で満たされていた。 「そろそろ眠くなってきちゃった」 そう彼女が言ったので時計をふと見ると夜中の2時を針は示していた。 「そうだね……眠い、ね」 僕は必死に作った全力のつもりの笑顔で答えた。 するとなぜだか本当に前向きな思考になれてきた。 ああ、幸せ。うん、これでも幸せだと思うよ、自分。 僕と彼女はベッドに2人で入った。 高校2年生にして、初めての添い寝。 少しだけ、ほんの少しだけ、胸が虚しくなってきた。
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