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贈り主は暁。開けてみたら小包の中身はドレス。ノースリーブにビスチェタイプのカクテルドレス。大胆なホワイトのレース刺繍が可愛らしいのにとても華やかで素敵。
「綺麗なブルーグレー」
一度箱から出してしまったら、元の箱には納まりきらず、部屋に吊るす。
贈られてきた箱の中に、暁からのメッセージを見つけた。
「……迎えに行く。暁」
化粧品メーカーのパーティーへの招待。鼓動が波を打つ。必ず其処に、翔真が現れる。
『迎えに行くまで待っていて』
別れた日の翔真を思い出す。どうしても、離れた距離に私は我慢ができなくて。あまりに寂しくなって翔真にそれをぶつけてしまった。
翔真から返って来たのは、その言葉。結婚して付いてきて欲しい、なんて甘い台詞じゃ無かった。それでも、どうして翔真を待ってしまうのかな。
……って。パーティーもうすぐじゃない。暁に連れて行ってもらって? 翔真が其処にいたら? え、どうしたらいいの。
私の小さなパニックを他所に、すぐに日にちは過ぎて行く。
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