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「水姫……」
智也の腕が伸びて来たのがわかっていて、私は動けない。ぎゅっと抱きしめる智也の想いがわかる。
「翔真さんに会わせて」
「……わかった」
翔真に連絡を入れる。
暁に約束を貰えたことと、智也が、会いたいと言っていると伝える。
『全部わかった。明日【Hotel・Candytuft】で』
暁との街合わせ時間よりだいぶ早く、智也と三人で会う約束になった。
翌日――
いたたまれない思いを抱えて、智也と【Hotel・Candytuft】へ。一階ロビー横に既に翔真は来ていた。
そして硬直――
予測外なことに一瞬思考が止まりかける。暁と北川さんの姿。早すぎます…… 現れるの。
水姫―― もう誰が私の名前を呼ぶのか。
水姫、おいで―― わからなくなる……
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