1631人が本棚に入れています
本棚に追加
/104ページ
Epimedium[君を離さない]
【side_北川】
狼狽えている水姫、苛立ちを見え隠れさせる暁。
正面に立つ背の高い甘いマスクが、翔真。
水姫と現れたのが幼馴染みの智也。おそらくは彼が一番年下か。真っ直ぐな目だ。
「皆様どうぞ。付いて来て下さい」
ロビーでは駄目だと暁の指示で部屋は確保してある。
カードキーを差し込み、全員は部屋の中へ。
水姫をまずは座らせる。彼女を挟む形で翔真と智也が。水姫の正面に暁が位置する。俺は座らず、暁の横に立つ。
まだ誰も何も切り出さない。案外おかしな状況なのかもしれない。ならば好きにやってみるか。悪戯心が湧いて止まらない。
「水姫さん、貴方も罪な方だ」
水姫は恥ずかしさで顔を赤らめる。
その顔を泣かせてみたい――
手に入らないならいっそ。
参戦してみるか。水姫、君に惹かれ過ぎたようだ。
最初のコメントを投稿しよう!