おにぎりの策謀

1/1
9人が本棚に入れています
本棚に追加
/33ページ

おにぎりの策謀

 放課後、小田切榮は、不機嫌そうに、女子にキャーキャー言われていた影山を睨みつけていた。  またか。また田所紀子か。  あいつが入学し、祓魔官になった時も、榮は歯牙にもかけていなかった。  所詮は田舎臭い娘にすぎなかった。    風間静也。現れた男にはスター性があった。  日本沈没を防いだ新たなヒーローは、今やただの盛りついた犬にすぎなかった。  しかしどうだろう。突如判明した田所紀子の皇族入りを経て、どんどん周囲の注目は紀子に集中していき、榮は今やモブにすぎなかった。  許してはおけない。狐霊堂学園の女王は私だけなのよ。あんな、暴戻な隠し子皇女なんかに、私が負けるものですか。  どうしてくれようか。そう考えていると、自分以上に不機嫌そうな柄の悪い金髪がいた。
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!