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おにぎりの策謀
放課後、小田切榮は、不機嫌そうに、女子にキャーキャー言われていた影山を睨みつけていた。
またか。また田所紀子か。
あいつが入学し、祓魔官になった時も、榮は歯牙にもかけていなかった。
所詮は田舎臭い娘にすぎなかった。
風間静也。現れた男にはスター性があった。
日本沈没を防いだ新たなヒーローは、今やただの盛りついた犬にすぎなかった。
しかしどうだろう。突如判明した田所紀子の皇族入りを経て、どんどん周囲の注目は紀子に集中していき、榮は今やモブにすぎなかった。
許してはおけない。狐霊堂学園の女王は私だけなのよ。あんな、暴戻な隠し子皇女なんかに、私が負けるものですか。
どうしてくれようか。そう考えていると、自分以上に不機嫌そうな柄の悪い金髪がいた。
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