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ホームルームと願望と
「えー、バカ教師が学校サボったので、代わりにクラス委員の私、田所紀子が司会進行でホームルームを行います。馬鹿教師をどう始末するかは後で考えましょう。今月頭、明後日から中間テスト、その後は十月半ばに行われる文化祭の出し物をどうするか。これよ。去年は違うクラスで退屈な喫茶店をやることになったわ。理事長が経営するおしゃれなカフェに客全部持ってかれて散々だったわ。今年は何とかしないといけない。意見をどんどん出してね。はい真っ先に手を挙げたミーー影山君」
ミザールと言いかけた紀子が影山を指した。
「喫茶店を希望する」
「話聞いてたのかお前は?!」
「いや。普通の喫茶店ではない。各テーブルにレコードプレイヤーを設置し、様々なクラシックが聴き放題。更にはハイデッガーやフーコー、デカルトと言った様々な哲学書も読める。一度入ったら2度と抜け出せぬ最高の空間だな」
「はいクラシック喫茶ね。次は涼白さん」
立ち上がった涼白さんは、新品のブラウスがピカピカに光っていた。多くの男子生徒はJK化したメイドの可愛さにクラクラメロメロになっていた。
「わ、私は、可愛いメイドさんがコーヒーを持ってくるのがいいと思う。それしか出来ないし。影山さんいつもお嬢様のお相手で大忙しだもの。それに、ジャズもいいと思う。だってーー」
涼白さんは斜め前に座った静也を見たが、やがて顔を赤らめて顔を覆って座った。
え?涼白さん?
「はいメイド喫茶。って言うか純粋にあんた等の願望じゃん。好きに休みもらって行ってきて。他には?はい排泄ーーライル君」
「今お前排泄物って言おうとしなかった?俺の意見は磔な。課長がやって来て、罪なき者から石投げろっつったら、みんなで石投げてやろうぜ。おらあ!おらあ!ってフルスイングでブロックの塊投げてやる」
「だからお前の願望だっつっとろうが!出来るならやってみろ!出来もせんこと言うな!」
「俺は紀子のディナーショーがいいと思う」
「お前の意見なんか聞いてないのよ静也あああああああああああああ!どいつもこいつも!理事に負けたら生徒の面目丸潰れだってのに!」
「はい」
「珍しくモブに発言来たあああああああ!いい意見出せ渡部!」
「祓魔官だろう?君等。百鬼繚乱のPV見たよ。本格的なお化け屋敷はどうかな?安全で本物が見れるなら、金払っても行くと思うよ?資産家の子供も多いし」
「その手があったか!」
すぐに気づけよ。みんながそう思っていた。
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