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作るときはこんなにも幸せな気持ちになれるなんて思っていなかった。
もっと気楽に、恋人だからお揃いの指輪ってくらいの気持ちだったのに。
それが同じモノを身につけているってだけで気分が高揚して、身体の奥底から大好きって言葉じゃ足りないくらいのよろこびがわき上がってくる。
「うおっ。りょーお」
思わず海斗くんに抱きついて押し倒すと、蕩けるような笑顔を見下ろした。
「……本当にありがとう」
自分の瞳に海斗くんの瞳を映しながら呟き、それを閉じ込めるように目を瞑ると唇を重ねた。
そのまま身体が反転して体勢が逆になる。
取られた右手が海斗くんの口許へ。
「ずっと一緒にいて」
誓いのキスなんて大げさなものじゃなくて、叶えるためのキス。
その言葉を聞いてオレも海斗くんの右手を取った。
「オレも、叶えるためのキス」
「何を叶えるんだ」
……海斗くんの幸せが、オレとともにありますように。
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