141人が本棚に入れています
本棚に追加
口にピザを運んでいた手が止まる。
開けた口を閉じるとピザを皿に戻した。
「ごめんなさい、オレまた余計なことを」
「陵くんて、まだ高校生なのにすごいよね。しっかりしてて、ちゃんと自分の意見持ってる。やっぱり徹二さんたちの育て方がよかったのかな」
そう言って笑った良徳さんの顔が悲しそうで、今にも泣き出してしまいそうだった。
「あ、ほら早く食べないと冷めちゃいますよ」
「え、あ、そうだね、ごめんごめん。いただきます」
それから当たり障りのない会話をしながら食事を終え、車に戻ったとき自分の考えていたことを口にした。
「オレ、父さんと母さんが親でよかったって思ってます。尊敬してるし、オレもあんなおとなになりたいって思ってるんです。良徳さんも今両親とはうまくいってるんですよね。それにオレの父さんだって育ててたわけだし。だから言い訳ばっかりじゃダメだと思うんです。本当に誰かに好きになってもらいたいなら、まずは自分が自分を好きになってあげなくちゃ」

最初のコメントを投稿しよう!