授業

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授業

一時限目は理科。僕はいつも移動教室など自分の教室を離れるときにはいつも早めに教室を出て一人で次の時間の教室で本を読んで待機する。 誰にも邪魔をされないように一人で席に座り黙々と本を読んでいる振りをする。いつもは本を読んでいる振りをして、周りの会話を少し聞いたりと過ごして自分の事を話している人が良くいるので、どんな陰口を言っているのかなどと気になり耳を澄ます。でも本人が聞いているので陰口とは言わないのだろうが、話している人は聞いていることも知らないのでこれは、彼らから見てみれば陰口で十分言えるのであろう。 なんやかんや聞いていると、人とは自分の地位を守るべく人を貶し自分がクラスの中でトップなんだと思いたいのだろう。 授業が始まると最低限の事は、クラスの人はする。 だってクラス内で差別的な事をしていることがばれるとただでは済まないからだ。今やこの世の中では自殺と言う死に逃げるような人が多く、僕自身何度自殺を試みたか分からない。中学の時から周りは僕を無視し続け、中学卒業するときには、友人はおろか話し相手もいなかった。新たな高校生活も昔と変わらない憂鬱な時間なのだ。 一時限目が終わると次は教室。出来るだけ理科室を早く出て、遠回りでクラスに戻る。教室は三階の一番奥の端、一旦一階を経由して三階の教室に近い中央階段を使い教室に戻る。所要時間はおよそ7分。僕は毎回この経路で教室に戻るため、どんなに教室を遅く出てもみんなはもう教室に居る時間だ。こんなことを一年間し続けるとさすがに慣れて来た。 最初のころは色々と考えたが、今はどうってことない。 教室に戻ると次の時間の準備をして適当に本を広げて時間を過ごす。 毎日毎日つまらない日々を過ごす。でもこれで終わり。明日からはもういないのだから。だから僕はもうやり残したことは無い。ただ友達と言えるような人は欲しかった。だから次人間と生まれ変わることができるならば、もっとまともな人として生まれ変わり楽しい人生を送っていきたいと考えていた。 授業はもうしなくていいと僕は二時限目で決心した・・・
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