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誰かに包まれているような暖かな香りと美味しそうな匂い。そして何かを焼くような音も聞こえる…
ん?焼くような音…?
「はっ。」
目を開けいつもとは違う景色に戸惑うものの昨日のことを思い出し冷静になる。
学生服がハンガーに掛かっていることからここは凛の部屋だ。
このベットも凛のだろうな。凛に申し訳ないことしちゃった…
それより凛はどこに行ったのだろう。
とりあえず先程音が聞こえた方へと足を進めた
「凛?」
「はよ。晴。ゆっくり寝れたか?」
「お、おはよう。うん。ゆっくり寝れたよ」
「そうか。それなら良かった」
なんか凛と同棲してるみたいだな。朝から凛がおはようと言ってくれる
幸せな朝だな
「今飯作ってたんだけど、和食で良かったか?」
「えっ!?凛が作ったの??」
「おう。そんなに驚くことか?」
「えっ。凛調理するの苦手だったよね?」
授業で調理実験とか不器用だった記憶あるような…
「あー。練習してたんだよ。引っ越すしな」
「…な、なるほど?」
「とりあえず冷めるから早く食べようぜ」
「うん。」
テーブルにはお味噌汁、鮭、ご飯、卵焼き、サラダと栄養を考えられたメニューだ。
「凄い。美味しそう…頂きます」
「おう。どうぞ」
お味噌汁を一口飲むと優しい味がした。朝から体が温まるような…
「美味しい…」
「それは良かった。」
安心したように微笑む凛にときめく。胃袋を掴まれるとはこの事だろう…
「ごちそうさまでした。」
「お粗末様でした。」
「一緒に片付けるね」
「おう。さんきゅ。助かるわ」
こうして一緒にやるとますます夫婦みたいだな…
「なんか俺ら夫婦みたいだな。」
「へっ!?」
「いや。こうやって一緒に片付けとか一緒に住んでるみてぇだなって思って」
そう言いながら照れる凛がとても可愛い
凛も同じこと考えてくれてたんだ。すごく嬉しい…
「同じ事思ってた!」
「そ、そうか。なんか照れるな」
「そうかな?俺は嬉しいけど」
だってこんなにも幸せな朝がこれからも凛と経験できるなんて。
きっと俺は世界一幸せものだと思うんだ
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