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何度も確認して辿り着いたい晴彦の家は新築の様だった。オレンジ色の可愛らしい家だ
「ここだよな?」
少し不安になるがインターフォンを押す。もし間違えてたらその時だ。
「ん?誰もいないのか?」
家を間違えたのだろうか。人が出てくる気配も無い。
念のためもう一度インターフォンをならし、待つが人が出てくる事は無かった。
「このプリントどうするか…」
周りを見ても郵便ポストらしき物は見当たらなかった。
「ドアにかけとくか…」
そう思い門を潜ると表札がありそちらに目が行く。
そこには鈴原と書いてありやはり間違っていなかった事に安心する
だが、晴彦は風邪で休んでる筈だ…中にいるはずの晴彦が出てこない事に倒れてると言う最悪な出来事を考える。
「まさか…な。」
そう思いドアノブを引くと無用心にも扉が開く。
やっぱりおかしい。扉が開くなら人は居るはずだ。なら何故インターフォンに出ない?
やっぱりあいつ……
焦った俺はこれが。不法侵入だと言う事も忘れて、家の中に足を踏み入れていた。
倒れていたら救急車を呼ばなくては…と焦りながら晴彦を探す
「ここか!?」
そして、開けた扉の先には眠る晴彦の姿があった…
「よかった…寝てたのかよ…」
少しづつ近づくと息苦しそうに寝息を立てる晴彦の姿があった
「おい大丈夫か!?」
思わず駆け寄ると暑苦しそうに唸る。
「んぅ…」
おでこを触ると大分暑かった。ずっと寝込んでいたのだろう。
蒸し暑いのに寒気もせず、厚着で布団まで掛けている。
「まずは…どうするか」
服の間からたっぷり汗をかいている様子が伺えた。換気し、冷たいタオルをもち服を脱がす
「なんか悪いことしてる気分だな。」
汗が妙に色っぽくてドキッとする。
そんな考えを振り切り履いた後、新しい濡れたタオルを頭乗せる。
どうやら少しは気分が良くなったのか晴彦の寝息が穏やかなになった
「すー…。すー…。」
「一先ず安心だな…。」
体調が悪いくせに何も処置をしていなかった。
「こいつもしかして今日ずっと1人だったのか」
だからだろう。今更ながら周りを見渡すと制服だけが皺々になって床に転がっていた。
「…仕方がねぇな。いろいろやっとくか。」
制服は綺麗に畳み、ご飯は作れない為レトルトのおかゆや、食べやすい果物を買った
家に戻ると、晴彦はまだ寝ている様だった。
「まだ熱いな…」
おでこを触って分かるほどまだ熱い
「んんっ。」
一瞬飽きたのだろうかと思ったが。どうやら違う様だ。
「たく。心配したんだから早く良くなれよ?」
晴彦の、様子を見つつ俺はタオルを何度か変えたり、汗を拭いたりするなどしていたらいつの間にかその場で寝ていた
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