タイムマシーン

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10年前の10月1日。 親友の杉原晴彦に告白された日の事だ 俺が引っ越す1日前の出来事だ  「あっ…おはよう。りん」 早朝から誰だよ…と思いながら開けた扉の先には深刻そうな顔をした、はるの姿があった。 「はるおはよう。どうした?」 「あの、さ。急で悪いんだけど……りんに伝えたいことが有って……」 「なんだよ。急に」  「いや、その…とりあえず早朝にごめん」 「朝早くに誰だよ。とは思ったけど。それほど大事な用って事だろ?気にすんな」 「うん…」 その時の晴は妙に緊張した態度だった。 「明日、引っ越すんだよね?」 「あぁ。そうだ。なんだよ。前から伝えていただろ?もしかして、寂しくなったのか?」  そう、ちゃかす俺自身も本当はとても寂しいなんて気持ちがあった。 晴も同じだったら良いな…なんて馬鹿なことを思ってしまう。 「うん。寂しい。凛が居なくなったら俺…どうしたら良いか分からないよ…」  それほど俺との別れが寂しいのだろうか 悲しそうに消えそうな声でそう呟く 俺も寂しいけど…来ようと思えばいつでも遊べるのに 「バカだな。東京に行っても遊びに来てやるよ。」  「それじゃあダメ。行かないで凛……」 晴は涙を流しながら切実そうに言うのだ 「な、泣くなよ…。俺だって寂しいんだから。な?」 「だって…」 「泣き虫だなぁ晴は。でも嬉しいわ。泣くほど俺のこと好きなんだな」 さりげない台詞だった。 俺自身、ジョークのつもりで言ったのだ 「うん……」 けれども真っ直ぐに俺を見つめて、頷く晴に戸惑う。 「お、おう。俺もだけどさ」 「…違う」 「…えっ?」 「恋愛対象として好きなんだ」  「……っ!?」 晴は本気で気持ちを俺に伝えてきたのだ。
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