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「まーーちーーー!ご褒美!!」
ふらふらになりながら私は真知に近づく。さっきまで女の子たちの撮影会につき合わされわたしはすごくへとへとになっていた。でも真知からのこの演劇に出た後のご褒美を考えると私は頑張れたのだ。
「はい、お疲れさま!」
今は真知と二人っきりの状態。誰も入ってこない。部員の子や、女の子たちは先に、ケーキバイキングの店に行ったからここに用のある子はいないのだ。
「お姫様のドレス!!」
淡いピンクのレースたっぷりのドレス。ところどころ、ビーズやスパンコールが輝いて私はうっとりする。こんなドレス着てみたかったんだあ!
「輝って乙女だねえ。」
ドレスを渡した真知はにやにやしてるけど、親友の目は気にしない!
「着替えてくる!」
ウキウキしながら私は王子の服を脱いだ。
「胸がきつい・・・。」
「いや、輝のために作ったドレスじゃないからしょうがないでしょ。」
少し、ほんの少し着るのに苦労したけど何とか着れた私は鏡で自分を見る。
「自分がお姫様とか、本当ないけど、着れて嬉しいな。人に見せれるような姿じゃないけどね。」
私は満足して制服に着替えようとすると、
「お兄ちゃん達に写メ送らないの?輝、すっごい可愛いよ!」
真知がスマホを構える。私は慌てた。家以外、女の子の格好は制服以外、禁止されているのだ。
「え、ばれたら、怒られるよ!」
そのとき、部屋の扉が開いた。
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