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「そうですけど、どなたですか?」
拓哉が聞き返すと相手がまた話し始めた。
「お前に教える必要はない。」
動揺する拓哉に電話相手は話しを続けた。
「お前の女は預かった。無事に返して
欲しければ俺の指示に従え。
お前のアパートに女が隠し持っている
コインロッカーの鍵がある。
絶対に見られたくない所に
隠してあるはずだ。
まずはそれを探せ。」
突然の脅迫電話に驚き
拓哉は頭の中が真っ白になった。
電話の相手は最後に
「分かったな。1時間後にまた掛け直す。
それまでに鍵を見つけろ。
警察には何も言うなよ。」
と言って電話は切れた。
「そんな…どうすれば…」
突然の事態に拓哉は
頭の中の整理が出来なかったが
呼吸を落ち着かせてから
どうするべきか考えだした。
冷静に考えたら真弓が本当に
誘拐されたか確証がない。
そう考えて真弓本人のスマホに
5~6回電話したが全くでない。
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