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序章
籠の中の金糸雀は美しく歌う。
可憐なその姿は、見るものを癒す。
そして金糸雀自身、愛でられることに特に何も思わないように、今日もただただ美しく囀ずる。
だが籠の扉が開いたが最後、金糸雀は瞬く間に大空へ飛び立つ。
自由を謳歌するように飛び回るその様は、籠の中で何も不満がなかったわけではないと暗黙に語っているようだ。
鬱屈した気持ちを抱えながらもそれを感じさせずに、籠の中で今日も美しく歌う金糸雀を、私は憐れな目で見つめる。
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