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そっか、やけにイライラするのは暑いからだ。
4時間目は体育で、男子は校庭でサッカー。まじだるい。今日は日差しが無駄に強くて、立ってるだけで肌がジリジリするし。
なんもしてないのに汗出るから、めちゃくちゃイラつく。5月ってこんなに暑いっけ。
「奏太あ、パス！ パス！」
あまりにイラついて、足元に転がってきたボールを思いっきり遠くに蹴ってやった。
「ちょっ、えー……」
授業のサッカーとかどうでもいいだろ。だるい。
「なんなの奏太。今日朝からキゲン悪すぎじゃね？ なんかあった？」
「別に。なんもねーよ」
なんもないし。……別に、昨日の夜の出来事なんてどうでもいいし。
そもそも、出来事、ってなんだよ。ナニゴトも起きてない。みくちゃんが店に来て、帰り送ってっただけ。
「あ、わかった！ 腹減ってんだろ」
「え？ …………あー」
そういや今朝は、起きたら母親が買い出しでもういなくて、キッチンにあったロゼッタを1個食っただけだ。あんなんで足りるわけない。
意識した途端、腹がぐうって鳴った。4時間目も終わる頃だし、そりゃ腹も減る。
……あれ？ つーか今日、弁当持ってねーじゃん。だりい。
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