3暖かいようで、寒い日

1/4
6人が本棚に入れています
本棚に追加
/83ページ

3暖かいようで、寒い日

新宿のホテルをでると、雪が降っていた。ふと空を見上げてみると、粉雪が空からゆらゆらとゆれ、地面に触れると溶けていった。 そういえば天気情報で夜中に雪がふるっていってたっけな。 新宿の夜に数々の高層ビルから細かな明るみを灯しびながらも、粉雪がほろほろとふる光景は何処からか幻想的なように思えた。 そう言えば今年は終わり、2020年へと変わる日だ。すっかり忘れていたのだ。一般家庭とは違い今日という今日は特別な日であり、「全国の子供達も特別に夜更かしをしても良い日」そんな最高の日だって事を僕は忘れていた そもそも僕は、今年が最後になるなんてどうでもよかった。今日の僕が身体を売り続ける誰かの欲望を解消させるための存在として扱われているだけで、素直に上司などのゆう事を聞いていれば、明日も変わらず生きられる。 結論。僕の日常は変わらない。 僕は、そんな事を考えながら新宿駅の方へ向かった、気温の低さに寒さを感じながら街灯が照らされる方面だけをただ突き進んでいく。 すれ違う人、ひとりひとりがぼくと同じく寒さに凍えながらいつもより早歩きをしているように感じた。 そんな中で、明日も絶望的な毎日が続くのかと思うと胸が苦しくなる。 しかし、変わらない日常でも僕はこうして生きることができている。お金を稼ぐことで、食べたいものも、買いたいものも、やりたいことも、趣味も 夢も、何から何までほぼお金を使って おまけに自分を守るために役立てている。 僕がお金を中心に稼いでいるのは、親がいないせいだと思う。なので 親に愛情を注がれたことがない。気づけば一人ぼっちになっていた。 幼きながらも食べるものがなく、ホームレスになったぼくは、食べ物を探そうと道端に生えた草を食べて生きてきた記憶。嫌な思い出しかない。自殺未遂も繰り返し、何度も周りの大人に止められた。今は周りにいた大人たちさえも 覚えていないのだ。 あまり過去を蘇らせたくないが、どうしても親のことでつっかかる部分があるのだ。 “本当にぼくには親がいなかったのか”
/83ページ

最初のコメントを投稿しよう!