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翌日。
「おっす。昨日はお疲れ」
「あ、うん」
鳥の鳴き声が響く月曜日の朝の通学路。気だるさの中ソウタとカズマは高校の正門を通り抜ける。
「で、どうすんだ?ヒーローの話受けんの?」
「そう言われても実感湧かないからなぁ」
やはり話題は、昨日のガーディアン基地での出来事。
これから先ヒロイックロボで戦っていくかという話だが、まだ決めかねている状態だった。
「あ、九条さん」
そんな時、ソウタは一人で登校するフウカの姿を見つけて声をかける。
「げっ、あいつら」
「ちーっす」
とはいえ、あまり歓迎されてない様子ではあるが。
「で、まさか昨日の話受ける気じゃないよね」
彼女が気にしているのもまた昨日の話。実際に戦うのはソウタとはいえ、彼女もまた他人事ではない以上二人がどうしたいかという事に関心はあった。
「まだ、分からない」
「うちは勘弁だよ?そんなめんどくさいこと」
尚元々怪獣やヒロイックロボに興味などないフウカはこの話には乗り気ではないようである。
「そうだよね……」
「んじゃ友達待たせてるからお先ー」
そしてそそくさと駆け足で教室へと向かうフウカの背中を見送る二人。
「やっぱ俺らにゃ無理なんじゃね?」
「そうかもしれないけど……」
フウカはやる気がないとわかった以上、やはり断ろうかという方向に傾きかけたその時だった。
「警報!?」
再び、怪獣出現を知らせるサイレンが鳴り出したのは。
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