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第七話 究極の力
「ファルガンを降りろって……どういうことですか!」
突然の宣告に戸惑うソウタ。これまで共に戦ってきた機体であるファルガンを手放せなどと言われては当然だろう。
そんな彼に対し、御法川はその真意を告げる。
「結論から言うと、もう君のファルガンは限界だそうだ。短期間でのファルブラックを含めた強敵との戦い続きに加えて、先の凍結怪獣との戦闘で追い打ちをかけられた。これ以上あの機体を使い続けるのは難しいだろう」
これまでソウタのファルガンは、ウィズンやビリビラー、メラドガンといった様々な怪獣と短期間で戦ってきた。
それらは現代のロボット怪獣の中でも特に強力な類であり、加えてファルブラックとの戦闘。さらには今日のフリグラースとの戦いで甚大なダメージを受けてしまい、ついに機体が限界に達してしまったのだ。
「でもファルガンがなかったら……」
「ファルガンは量産機だ。その気になれば予備パーツは幾らでもあるし、乗り換えもできる」
とはいえファルガンは量産機。日本国内だけでも20機あまりが配備されており、全世界で完全な状態にある機体は300を超えている。補充しようと思えば予備は幾らでもあるのだ。
「だけど僕は、君たちにとってもはやファルガンでは力不足だと考えている」
しかし御法川の意図は、そことは別にあった。
「力不足……?」
「今回の件で確信したよ。これから君たちはさらに強力な怪獣や、ファルブラックとも戦う事になるだろう。そうなると、最も低コストの量産機であるファルガンのスペックでは足りないだろうとね」
ソウタをファルガンから降ろす理由。それは、この先彼の前に更なる強敵が立ち塞がる事を見越しての事だった。
実際作為的なものなのか偶然なのかはわからないが、彼らは怪獣の中でも有数の強敵たちと戦ってきている。それらはこれまでファルガン一機で対処出来た事自体が称賛すべきものであった。御法川はこの機会に、ソウタの機体を更新しようと考えているのだろう。
「それならファルソードですか?それともファルガノン……」
「詳しくは明日話そう。学校には連絡しておくから、明日は欠席して早めに来て欲しい」
「わかりました」
ともあれ今はもう夜の七時を過ぎている。話の続きは明日として、今日この場は解散となった。
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