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黒曜旅団の宣言。そしてゼットラゴン襲来という惨劇から翌日。
「ガーディアン関東支部跡地から中継です。この通り、現場は惨憺たる状況となっており、現在調査隊が死傷者や現状の確認の為調査している最中となります」
「うわぁ、こりゃひどい……」
「無事だよな、ソウタ……」
荒れ果てたガーディアン支部の跡地には、多くのマスコミや警察が集まり騒然としていた。
様子を見に来たカズマとフウカは、見慣れた光景が崩壊した生々しい姿に驚愕する。
「調査隊が何か発見したようです。行ってみましょう」
そうしていると、基地で何かが見つかったらしくマスコミが一斉にそちらへと向かっていく。
「私たちも行ってみよ」
「ああ」
マスコミの集団の後を追い、二人もその現場へと駆け足で向かう。
「これは……怪獣の残骸です!」
そこにあったのは、破壊され機能を停止した究極ロボット怪獣ゼットラゴンの残骸。それがクレーンで引き上げられ、業者に回収されていた。
「そしてあちらは……生存者です!」
「なっ……!」
そしてもう一方は、良い意味で衝撃的なものだった。
「全身が融解したファルガンのコクピットから、なんと少年が救出されました!状況から見るに、彼が今回の過去最悪の怪獣を撃破したのでしょうか!」
原型は辛うじて保ちながらも、表面が熱でドロドロに溶けて壊れ果てたファルガン。そのコクピットがバーナーで切り開かれ、中から傷だらけのソウタが救助されていたのだ。
「生きてたのか、ソウタ……!」
「行こう!あいつの所に!」
ソウタが生きていた。その事実に喜々としながら、二人は救助隊の元へと駆け出していくのだった。
それから少しして、二人が救助隊の元へと辿り着くとその時には丁度応急処置が終わり、担架で救急車へと運ばれようとしているところだった。
「君たちは……」
すぐさまソウタの元へ駆け寄ろうとすると、二人の道を塞ぐように救助隊員が立ちはだかる。
「こいつの友達です!ガーディアンでも一緒に戦っていて……」
「そうか、君たちが情報にあった二人か」
だが二人の顔を見ると情報が伝わっていたようで、隊員はすぐに状況を理解しソウタの容態を説明してくれた。
「命に別状はないが、見ての通り重傷だ。目を覚ますまでにも時間がかかるだろう」
「でも、よかった……」
「ああ、そうだな」
裂傷や火傷、骨折など負傷箇所は数多く決して無事とは言えない。目を覚ますにも時間が必要だというが、それでも生きていた事に安心してフウカは膝から崩れ落ち、カズマは抱き上げるようにその身体を支えた。
そして次に隊員は、回収されたゼットラゴンを指差しながら告げる。
「あれを彼がやったのなら、本当に彼は英雄だよ。もしもあの怪獣が街に解き放たれていたら、被害は何千何万と増えていただろう」
ゼットラゴンが街に到達した場合の予測被害は、これまでのロボット怪獣のそれを遥かに上回っていた。それこそ彼の言うように、何万人の犠牲が出てもおかしくなかっただろう。
だからこそ彼は敬意を表していた。絶望的な状況にありながら、最後まで守るべきものを守り抜いたソウタの戦いに。
「だってさ、ソウタ。あの戦い、お前の勝ちだよ」
何はともあれ、ゼットラゴンは破壊され、辛うじてだが生き残ることができた。ソウタの戦いは、カズマの言う通り勝利と言っても過言ではないだろう。
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