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一方その頃、カズマと少女は……
「サンキュ」
カズマの肩を借りてなんとか立ち上がる少女。
転んだ時に強く打ったのか、彼女の右膝は青い痣が出来てしまっていた。
「これくらいなんて事ねーよ。それよりあのチャリ、お前のか?」
「そうだけど……」
「後ろに乗れ。足怪我してんだろ」
そしてカズマは少女の自転車に乗り、彼女を後ろに乗せて走り出した。
「いやー、悪いね」
「こっちもチャリあると助かるしおあいこだよ」
もう殆どの人は避難を終えて、道に人は少ない。自転車で突っ走るには充分で、これならば素早く避難できるだろう。
潮風を受けて走る中、少女は意識を今ファルガンと戦っているカマギラーへと向ける。
「それにしても何あのカマキリ怪獣、ダッサ」
「言ってる場合かよ!」
「いやいや、だってさ?見てよあの手。刃物の付け根。絶対アレ、横から殴ったらポキッと逝くっしょ。あれ作った奴絶対アホじゃん」
とはいえ考えていたのは、見た目へのツッコミ。
「おいお前、今なんつった」
だがその発言は、この状況からの逆転のきっかけとなる。
「あの付け根、絶対横からポキッと逝くって……」
「ナイス!」
すぐさまカズマは少女のアドバイスを受けて携帯電話を取り出しソウタへとかける。
これが、カズマと少女にとっての始まりだった。
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