第一話 エピローグから始まる物語

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第一話 エピローグから始まる物語

日本国首都、東京直上。 「はあぁぁっ!」 「うおぉぉぉ!」 夜空の下。ある者は不安げに、ある者は希望に満ちた目で人々が見上げる空の片隅で、今二つの影が激突していた。 「貴様は何故、それほどの力を持ちながら人間如きの為に戦うのだ!」 世界を己が手に収め、全てを恐怖で支配せんとする地獄の王、魔王。 「人々を……この蒼く美しい星を愛しているからだッ!」 人類と地球を愛し、正義と平和の為に身を投げ出して戦う正義の味方(ヒーロー)。 善と悪。 光と闇。 全てにおいて対極に位置する二つの存在の最後の決戦が今、ここで繰り広げられていたのだ。 「愛だと!?そんなくだらぬ物の為に!」 「それをくだらないと呼ぶ貴様に勝機などない!」 「知ったような口を利く!」 輝く光線。 風を切る拳。 人々が固唾を呑んで見守る中、激しくぶつかり合う両雄。 人類の命運をかけた、人智を超えた互角の戦いに今決着がつこうとしていた。 「これで終わりだ、魔王ッ!」 魔王が怯んだ一瞬の隙を突いて、必殺の構えを取るヒーロー。そして…… 「アルティメットビィィィムッ!!」 閃光が、空を埋め尽くした。
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