至福の金曜日

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 金曜日。 今週もこの日がやって来た。月曜日から始まった苦行の日々が終わりを告げる。パーティーの幕開けだ。  やるべき仕事を片付けると俺は即座に荷物をまとめ誰にも気づかれない内に玄関口を出る。いつもなら曲がるはずの道を無視して大通りへと続く一本道を貫く。大通りに出るとそこには巨大な建物が立ち並ぶ。そこらで最も高いビルから三つ右のブロックに俺の第一の目的地がある。100m先からでも見えるような大きな看板には少し掠れた文字で「大名スーパー」と書かれている。県内で最大級が売り文句の大名スーパーに入ると入り口付近にはセール品が立ち並ぶ。俺は慣れた道のりを歩き必要なものを次々にかごへと放り込む。レジに着く頃にはかごがいっぱいになる。ピッピッっと一定のリズムを保ってなるバーコードリーダーと加算されていく料金表示。高くなりすぎないことを祈り、最後の商品が読み取られるのを待つ。なけなしのお金を払うと軽くなった財布と重いビニール袋を手に下げる。ファーストミッションコンプリート!  
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