天窓

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天窓

今日もまた何事もなく一日が始まる。 真っ白な壁、真っ白な家具 まるで病室のようなこの部屋は 何も描かれていないキャンバスのようで 私のお気に入りだ。 この部屋に唯一入る色といえば、 小さな天窓から見える空の色ぐらいだ。 毎日違う青や灰色そして黒 ただただ繰り返される日々の中、 唯一オレンジから金色に変わる時間が 一番好きだ。 ほんの10分ぐらいしかないこの時間に、私は 今生きている世界を感じることができる。 この暖色が私の心に生きる灯火を 与えてくれる。 明日は晴れるだろうか そんなことを考えながら。
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