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古賀にそう指摘され、初めて自分の格好を確認した。
状況をどんどん把握してようやく慌てた或斗は、「ぅわあっ!!」と叫びながら足元でぐしゃぐしゃになった掛布団を全身に掛ける。
「え、え、なん、……うぅっ、頭イタイ……」
急に動いたからか、ずきん、ずきん、と激しい頭痛に襲われて。
或斗は頭を抱えながらベッドに身体を沈めた。
「二日酔いだねェ。ま、あんだけ飲んだら二日酔い確実だし記憶もなくなるかァ」
そんな或斗に覆いかぶさるように、古賀が或斗を跨いできて。
頭を抱える両手をグイっと無理矢理開いて、しかめっ面を上向きにさせた。
「でも、昨夜は驚いたなァ」
「……えっ」
「犯されてんのに、恋人じゃない奴の名前呼ぶんだもん。お前らの関係ってそんなもんなんだァって思っちゃった」
(い、今、なんて言った?)
古賀の言葉が処理しきれなくて、或斗は無言で古賀を見つめる。
つまり。
つまり?
「俺……お、おかさ、れた、の……?」
古賀に押さえつけられた手をぎゅうっと握った。カタカタと奥歯を震わせながら、古賀と視線を交わわせると「ウン」と頷く。
「或斗が求めてきたから、ハジメテもらっちゃったァ。でも、合意の上だったし、なにも問題ないよね?」
彼は琥珀色の瞳をうっとりと細めながらそう言い、グレアを放ってきた。
本来ならパートナー以外のグレアは、身体が拒否反応を起こして自衛するはずなのに……
「っあ、あぁッ……」
身体は古賀のグレアを受け入れ、そして……
思い出したかのように下半身の奥を、ぐじゅり、と疼かせた。
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